今年も11月23日から12月1日まで、来年、閉館する歴史ある映画館、丸の内TOEIを拠点に開催された第25回東京フィルメックス。コンペティション作品の中で印象に残ったのが、スペシャル・メンションの台湾・シンガポール・フランス合作の映画『Mongrel 白衣蒼狗』でした。
台湾の山間部の村で、介護職でなんとか暮らしている不法移民の青年を主人公にした作品なのですが、そう聞くと観ているのが辛くなるような作品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実際にこちらの作品を観て印象的だったのは、日常を映し出す豊かなまなざし、そして温かみの伴う映像。終始、スクリーンに惹きつけられる独特の映画的な魅力を持っている作品なのです。
プロデュースにホウ・シャオシェン監督が名を連ねていますが、チャン・ウエイリャン監督はホウ・シャオシェン監督の映画に影響を受けているそうです。シンガポールの監督が、なぜ台湾を舞台に映画を撮ることになったのかという経緯も含め、映画の上映後のQ&Aで興味深いお話が伺えたので、今回は「フィルメックス・リポート」と題して、その模様を皆さんとシェアできたらと思います。
“#759 第25回 東京フィルメックス リポート~『Mongrel 白衣蒼狗』チャン・ウエイリャン監督、イン・ヨウチャオ共同監督Q&A~” の続きを読む
