残暑と共にある初秋の影響か、気づけば今年も東京国際映画祭の季節。日比谷・有楽町界隈の映画館や施設を会場に、10月27日から11月5日まで、今年も世界各国の映画が上映されます。
映画祭の魅力と云われて一番に思い浮かぶのは、映画監督や出演俳優のトークを生で聞けること、という方も多いのではないでしょうか。今年もさまざまなゲストが来日・登壇します。
例えば、日本でも関心を集めているアリ・アスター監督。12月に劇場公開される最新作『エディントンへようこそ』が<ガラ・セレクション>部門で上映されるのに合わせ、来日予定です。
また、コンペティション部門では、1936年、英国の植民地だった頃のパレスチナを舞台にした映画『パレスチナ36』の上映も。東京フィルメックスでも新作がたびたび上映されてきたアモス・ギタイ監督の『ボンベイのゴーレム』も上映され、いずれも監督が登壇予定。いまだ大変な状況にある中東について考える場に。こうした場も、映画祭の大事な役割ではないでしょうか。
アジアの未来部門では、デフリンピックが東京で開催される今秋、自身がCODA(ろう者の親を持つ、聴者である子どものこと)だという監督が、障害という視点というよりも、手話を「日常で使う言語の違い」として描いた映画『みんな、おしゃべり!』も上映されます。こちらも監督や出演者が登壇予定。
旧作の上映では、三島由紀夫生誕100年の今年、日本では劇場公開されなかった『MISHIMA』が<日本映画クラシックス>部門で上映。ロバート・デニーロ主演の名作『タクシードライバー』の脚本家、ポール・シュレイダーが監督を務めた作品としても話題の映画で、緒形拳、板東八十助、沢田研二をはじめ、豪華な出演者が出演しています。こちらも監督やプロデューサーが来日予定。
そして、新旧作品の上映と共に、ここでしか聞けないトークイベントが楽しめるのもまた、映画祭ならではの楽しみ。
毎年恒例のトークセッション「国際交流基金×東京国際映画祭 co-present 交流ラウンジ」では、最新作『東京タクシー』の劇場公開を控えた山田洋次監督と今年の1本『国宝』の李相日監督、是枝裕和監督と『ノマド・ランド』のクロエ・ジャオ監督と、気になる組み合わせのトークがいろいろ。
また、こちらも毎年恒例。ケリング主催の「ウーマン・イン・モーション」は映画業界で働く女性の環境を考える場。今年の登壇者は、俳優の高畑充希さん、中島健人さん、キャスティング・ディレクターのデブラ・ゼインさん、プロデューサーの福間美由紀さん。トークに先立ち、『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』も上映されます。
映画業界で働く女性にフォーカスしたトークは、ここ数年、東京国際映画祭でも行われているイベント。上映作品の中にも、女性たちの声なき声を描いた作品が見受けられ、こうした世界の潮流が上映作品のセレクションに反映されるところも映画祭ならでは。
また、映画業界の問題点を話し合い、改善していくという意味でも、映画祭は重要な場。「シネマ・コネクティング・ジャパン~官民連携フォーラム~」の模様は後日、ネットでも配信されます。
東京国際映画祭の上映後のQ&Aや、トークイベントは、後日、映画祭の公式YouTubeで配信されるもの。会場に足を運ばれる方はもちろん、運べない方もさまざまな形で、楽しまれてはいかがでしょうか。
学生の方には、残席のある上映に限り、チケットが700円になるサービスも。詳しくは、こちらをご覧ください。
食欲の秋、読書の秋、そして映画の秋。みなさんそれぞれの10日間をお楽しみください。
10月27日~11月5日まで開催。
公式サイト:第38回東京国際映画祭(2025)
文:多賀谷浩子
