#721 『リル・バック ストリートから世界へ』 ルイ・ウォレカン監督インタビュー vol.2

公開中の映画『リル・バック ストリートから世界へ』。前回に続きまして、ルイ・ウォレカン監督のインタビューをお届けします。

映画を観た方はお気づきのとおり、この作品はちょっと個性的なドキュメンタリー。例えば、メンフィスの街中でリル・バックがインタビューに応えていると、そのまま音楽にのって彼が踊り出し、ダンスシーンに早変わりするのです。

「そういうシークエンスが、この映画には6、7あるかな。メンフィスの現実から、急に彼が踊り出す場面は、ストリート・ミュージカルのような作風を意識しました。意識したのは、リアル→イマジネーションのスイッチ。僕の作品はリアルとイマジネーション、リアルとフィクションのダイアログなんだと思います」

#720 『リル・バック ストリートから世界へ』 ルイウォレカン監督インタビュー

前回からお届けしている『リル・バック ストリートから世界へ』ですが、リル・バックの「これまで」を語る際に欠かせないのが、彼が10代を過ごしたテネシー州・メンフィスの話。

彼のダンスのベースになっているのは“ジェーキン”。メンフィス発祥といわれるストリート・ダンスですから、もちろん彼を語るうえで大切な街なのですが、それにしても、この映画は85分間のうち、ほぼ半分を割いてメンフィスを語る。それだけ、映画にとっても、リル・バックにとっても、大切な「土壌」なのです。

#719 『リル・バック ストリートから世界へ』

昨年、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映された『リル・バック―ストリートから世界へ―』が、今週末2021年8月20日(金)から劇場公開されます(映画祭上映時のタイトルは「リル・バック メンフィスの白鳥」)。

リル・バックは1988年生まれのダンサー。いろいろな点でオリジナルなのですが、まず面白いのが、その世の中へ知られ方。ちょっと古い言い方をすれば、まさしく「シンデレラ・ボーイ」なのです。

#718 第33回東京国際映画祭リポート~「アジア交流ラウンジ」 第1回キム・ボラ監督×橋本愛さん~

例年とは異なる工夫を施しながら、11月9日に無事、閉幕した2020年の東京国際映画祭。新たな試みとして画期的だったのが、是枝裕和監督の発案で企画された「アジア交流ラウンジ」です。

11月1日をスタートに、11月8日まで毎日、興味深い組み合わせの対談が行われ、オンラインでつながった世界中の観客から様々な質問が寄せられました。

今回は、お二人のゲストの素敵な「化学反応」が生まれた記念すべき第一回の模様をお届けしたいと思います。この日のゲストは、韓国映画『はちどり』のキム・ボラ監督×橋本愛さん。司会(モデレーター)は是枝監督です。さて、どんなお話が聞かれたのでしょうか――。

#717 第21回東京フィルメックス・リポート~『天国にちがいない』 エリア・スレイマン監督 Q&A ~

今年の東京フィルメックスは10月30日(金)~11月7日(日)まで、東京国際映画祭と開催時期を合わせるという初の試みで開催されました。

映画祭のひとつの役割として大きいのは、ひとりの映画作家にフォーカスし、これまでの作品を一挙に上映して、その作家の魅力を再発見すること。その点において毎年楽しみなのが、フィルメックスの特集上映なのですが、今年は2003年に日本でも公開された『D.I.』のエリア・スレイマン監督の特集でした。

イスラエルに暮らすパレスチナ人の日常を、そこに暮らすひとりとしての視点から驚くべきユーモアで描いてしまうスレイマンの「世界の受け止め方」は、世の中が混乱している今、より大切なものに思えてきます。

スレイマン作品では、いつも被写体としてご自身が登場します。しかしながら、劇中のスレイマンは言葉を発しません。今年のフィルメックスでは、オンラインでつないだ監督とのQ&Aが行われ、そこに参加した私たちは「語るスレイマン」と対面することに!

今回は「第21回東京フィルメックス・リポート」と称して、その時の模様をお送りしたいと思います。

#715 第21回東京フィルメックス

こちらのコラムは、2017年に幕を閉じたウェブサイト「~考える高校生のためのサイト~Mammo tv」で 2003年から 15年にわたって連載されたコラム「映画のある生活」がウェブサイトとして独立したものですが、実は記念すべき第1回のテーマが、2003年の東京フィルメックスでした。

振り返れば、いろいろな作品に出会い、いろいろな監督に取材し、こちらのサイトで皆さんにお届けしてきました。そんな東京フィルメックスが、21回目を迎える今年も開催されます。

今年は、どんな作品が上映され、どんな催しがあるのでしょうか。次ページで、触れていきたいと思います。

#714『僕は猟師になった』

この春の自粛期間を経て、しばらく映画館に出かけていないという人も少なくないのではないでしょうか。映画館の空調のよさなど、安全性も徐々に知られ、少しずつ映画館に人が戻ってきている昨今。こちらのサイトでも、新作映画のご紹介を再開したいと思います。

今回の映画は『僕は猟師になった』。そう聞いて、同じタイトルの書籍を思い出した方もいるかもしれません。2008年に出版されたこちらの本は、わたしの周りでも当時、随分と話題になりました。著者は千松信也さん。京都大学を卒業して「猟師になった」ご本人です。映画は、そんな千松さんとご家族の日常を追います。

#713 『つつんで、ひらいて』広瀬奈々子監督インタビューvol.2

昨年12月から公開されている映画『つつんで、ひらいて』。2019年公開の映画『夜明け』でデビューした広瀬奈々子監督が、装幀家・菊地信義さんにカメラを向けたドキュメンタリーです。

過剰な説明を伴わず、ぽつりぽつりと清潔に伝えられる菊地さんの印象的な言葉。すでに本作をご覧になった方も多いだろうこの時期、そんな言葉を頼りに、この映画のこと、改めて監督に伺いました。映画を思い出しながら、お楽しみいただけたら幸いです。 “#713 『つつんで、ひらいて』広瀬奈々子監督インタビューvol.2” の続きを読む

#712 『つつんで、ひらいて』広瀬奈々子監督インタビューvol.1

ネットで簡単に本が手に入る時代になりましたが、なんとなく本屋さんを見て回って、装幀に惹かれた本を買って帰るのが好きな人、今も多いのではないでしょうか。

見知らぬ本の持ち味が、ほんの一瞬の印象だけで、ちゃんと読み手に届く。そのことに敬意と愛着が止まらないのですが、公開中の映画『つつんで、ひらいて』はそんな「装幀」の仕事に光を当てた映画。装幀者・菊地信義さんを追ったドキュメンタリーです。

手掛けたのは、ほぼ1年前にデビュー作『夜明け』が公開された広瀬奈々子監督。お話を伺ってきたので、何回かに分けて、お届けしたいと思います。余白の美しさに心がすっとする、新たな年を迎えるこの時期にも似合いの作品。ぜひ映画をご覧になって、お読みください。

“#712 『つつんで、ひらいて』広瀬奈々子監督インタビューvol.1” の続きを読む