今年も気がつけば、東京国際映画祭の季節。10月28日から11月6日まで、日比谷・有楽町界隈で開催されます。
東京国際映画祭というと、上の世代の皆さんは、ハリウッド・スターの来日と結びついて記憶されている方も多いのではないでしょうか。レオナルド・ディカプリオが『タイタニック』で来日した年、当時の会場だった渋谷Bunkamuraの周りを前日から多くのファンが行列を作って囲んでいたこと、思い出されます。
そんな映画ファンの熱を感じることのできる年1回の映画祭ですが、今年はハリウッド・スターではデンゼル・ワシントンが来日。『グラディエーター 英雄を呼ぶ声』が<センターピース作品>として劇場公開に先駆け上映され、キャストと共にトークイベントにも登壇します。
スターといえば、今年のコンペティション部門の審査委員長は昨年、<マスタークラス>に登壇したトニー・レオン。『レッド・クリフ』でもタッグを組んでいる映画監督、ジョニー・トーも審査員として参加し、他にもキアラ・マストロヤンニら、豪華な顔ぶれが審査員を務めます。
そして、香港のスターといえば、サモ・ハンも来日。今年の6月にはジャッキー・チェンが新作映画で来日したばかりですが、こちらは『おじいちゃんはデブゴン』の上映と組み合わせ、マスタークラスとして貴重なトークが聞かれる予定。楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。
また、国際交流基金との共催で行われている「アジア交流ラウンジ」は今年で5回目。今年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞したパエル・カパーリヤー監督×是枝裕和監督、ジョニー・トー監督×入江悠監督、そして今年、自身にとっても大きな作品『一月の声に歓びを刻め』を発表した三島有紀子監督とインドネシアのニア・ディナタ監督など、5組のトーク・セッションが聞かれます。
そして、今年で4回目。こちらも是枝裕和監督が関わる企画「ケリング ウーマン・イン・モーション」のゲストは、今年の東京国際映画祭ナビゲーターの菊地凛子さん、磯村隼斗さん、そしてNetflixのプロデューサー、岡野真紀子さん。映像業界で働く女性の環境について考える、貴重な場になっています。
ご紹介した多くのイベントは、東京国際映画祭の公式YouTubeで会期終了後も配信されるので、直接、会場に行けない方も楽めます。チケットが完売していない作品については、700円で鑑賞できる学生当日券もあるので、今回が映画祭デビューという学生の方も参加してみてはいかがでしょうか。ゲストが来日し、会場が華やぐ、あの独特の空気は映画祭ならでは。皆さんそれぞれの10日間をお楽しみください。
公式サイト:第37回東京国際映画祭(2024)
(文:多賀谷浩子)