#724 第22回東京フィルメックス

 

本日から開催されている第22回東京フィルメックス。

オープニング作品は『偶然と想像』です。

『ドライブ・マイ・カー』も上映中の濱口竜介監督ですが、ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した、こちらの作品が12月17日の劇場公開に先駆け、上映されます。

『偶然と想像』には、濱口監督の2008年の作品『PASSION』に出演した3人の役者さんたちが出演していますが、

『PASSION』は東京藝術大学大学院の映像科の修了制作として撮られた作品で、

東京藝術大学大学院の映像科といえば、黒沢清監督が教鞭を執られていることで知られていますが、

昨年、公開された黒沢清監督の『スパイの妻』の脚本を手掛けたのは、濱口竜介監督と野口位監督。

そして、野原位監督の『三度目の、正直』も来年1月の劇場公開に先駆け、今年の東京国際映画祭で上映され、

そんな東京国際映画際の関連イベント「アジア交流ラウンジ」では、トップバッターとして、濱口監督×イザベル・ユペールさんの対談(10月31日)が……

と、濱口監督をめぐりめぐる期間中の日比谷周辺。この機会に、濱口作品に触れてみてはいかがでしょうか。『PASSION』から『偶然と想像』を観直すと、なんだかちょっとジーンとするものがあります。

『偶然と想像』(C)2021 NEOPA _ fictive

そして、今年のラインナップの中で目に留まるのが『永遠に続く嵐の年』や『瀑布』といった、昨年からのパンデミックをテーマに撮られた作品。

『永遠に続く嵐の年』は、7人の監督が参加した短編アンソロジー。フィルメックスの常連でもあるイランのジャファール・パナヒ監督をはじめ、

2年前にフィルメックスで上映された『熱帯雨』もすばらしかったアンソニー・チェン監督や

『ブンミおじさんの森』のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督らが参加している短編アンソロジーが上映されます。

そして、台湾のチョン・モンハン監督の『瀑布』。こちらもコロナのパンデミックが始まった直後の台北を舞台にした作品。いずれも「特別招待作品」の部門で上映されます。

『永遠に続く嵐の年』

また、こちらのサイトでインタビューにお応えいただいたカミラ・アンディニ監督の新作『ユニ』も上映されます。

10代の少女の葛藤を描いた作品だそうですが、やわらかな感性で、10代のみずみずしい感情を表現するカミラ監督だけに、楽しみな1作です。

カミラ監督といえば、お父様はインドネシアのガリン・ヌグロホ監督ですが、

今年のコンペティションでは、イランのジャファール・パナヒ監督のご子息であるパナ―・パナヒ監督の長編デビュー作『砂利道』も上映されます。こちらも気になるところ。

『ユニ』

他にも、今年のコンペティション、気になる作品がいろいろあります。例えば、『ただの偶然の旅』は、公式サイトにあるとおり、

“チベットのラサで出会った聖なるロブスターを故郷に帰すため、一人の若い女性が車で度をするロードムービー”。

……なんだか気になりませんか?

そして、『見上げた空に何が見える?』はジョージアの作品。一目惚れしたカップルの外見が、翌日、まったくの別人になってしまう!?というお話です。

初めて観る監督の作品と出会えるのも、「コンペティション」の魅力。あなたが観たいのは、どの作品でしょうか。

公式サイト:https://filmex.jp/2021/