#740 第23回東京フィルメックス

今年で23回目を迎えた東京フィルメックス。

まず注目したいのは東京国際映画際との共催であるツァイ・ミンリャン監督の特集上映。

フィルメックスでは「ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集」と題して『ふたつの時、ふたりの時間』(01)、『西瓜』(05)、『ヴィザージュ』(08)の3作品が上映されます。

それぞれの上映後にはツァイ・ミンリャン監督のトークも。東京国際映画際と同じく、こちらのトークも開催後も映画祭の公式YouTubeで視聴できます。

コンペティション部門で気になるのは、韓国にまつわる3作品。

まず『Next Sohee』(22)はカンヌ映画祭批評家週間のクロージング作品。日本での配給も決まっています。こちらは韓国で実際に起きた10代の自殺事件から着想を得たというチョン・ジュリ監督の長編第2作。

『同じ下着を着るふたりの女』は釜山映画祭のニューカレンツ賞を皮切に、ベルリン映画祭など数々の映画祭で取り上げられてきたキム・セイン監督の長編デビュー作。シングルマザーと20代の娘の関係性を描いた気になる作品です。

そして『ソウルに帰る』。長編デビュー作である『ダイアモンド・アイランド』が2016年に東京国際映画祭でも上映され、プロデュース作品の『ホワイト・ビルディング』が昨年のフィルメックスで上映されたダヴィ・シュー監督の新作。フランスで養父母に育てられた25歳の女性が初めて生まれた韓国に降り立つ物語です。

そのほか、ヴェネツィア映画祭のオリゾンティ部門で国際映画批評家連盟賞を受賞したインドネシアのアクバル・ムバラク監督の『自叙伝』や、カンヌ映画祭「ある視点」部門で最優秀脚本賞を受賞したマハ・ハジ監督の『地中海熱』など、海外の映画祭で評価された作品が。ウェブサイトでチェックしてみてください。

特別招待作品では、オープニング・クロージング作品のほか、こちらのサイトでインタビューさせていただいたカミラ・アンディニ監督の『ナナ』が上映されるのも楽しみなところ。皆さんの気になる作品は、どの映画でしょうか。

10月29日~11月6日まで開催。

公式サイト:https://filmex.jp/2022